神話の時代。
世界は、大きな一本の樹と共にありました。

その樹こそ…
世界樹―「ユグドラシル」

樹の胎動の中には、神々と人と精霊と…そういった全ての者達が
混沌と交わりながら、営みを続けていました。

そのユグドラシルの中に、脈々と走る水のように、
世界を駆け回る一匹の子リスがいました。

彼の名前は、ラタ・トスク。
全てを繋ぐ役目を担う、伝令―「メッセンジャー」

その、小さな彼が
大きな世界樹を捨て、逃げ出したその日から、
混沌はゆるやかに崩れ始め、神話は終わりへと向かいます。

ある人々は「自分たちは人間である」と分類し
空に根をおろすユグドラシルを捨て去りました。

そうして、世界は秩序という名の亀裂を深め
やがて、二度と再び、ひとつに戻る事はできなくなってしまいました。

今ではもう、世界をひとつに繋ぐ事ができるのは、
空を渡る風だけです。

では、「全てを繋ぐ役目」を持ったラタ・トスクは
いったいどこへ行ったのでしょう?

このお話は、
彼と風とが、再び世界を繋ぐ物語―――

『蒼天ユグドラシル』序文 (曲: CHRIS『木漏れ日』)