【正義のヒーロー =あるいはブラジャーの正しい洗い方についての深い考察=】
シーン01 篤弘の家・朝
日常的な住宅街の朝
SE:鳥の囀り
布団をめくる音
篤弘:(欠伸)ふわあぁぁぁ・・・(独白)俺の名前は関谷篤弘。平凡を絵に描いたような高校2年生だ。
母:篤弘ー。起きてるの?ご飯出来てるから降りてらっしゃい。
篤弘:ほーい。(独白)そんな俺にも実はひとつだけ、誰にも言えない秘密があった。それは・・・
母:篤弘ー?聞こえてるの?遅刻するわよー!
篤弘:聞こえてるよ!今行くってば!
母:もうー。お姉ちゃんはとっくに出かけたわよー?まったく、アンタはいつになったら母さんに心配されずに学校行ける様になるの?
篤弘:へーいへいへい。ったく、朝から口うるせぇなぁ・・・
SE:階段を下りる音
鳥の囀り
間
篤弘:じゃ、行って来まーす。
母:はい。いってらっしゃい。
SE:玄関のドアを開ける
数歩歩く
シーン02 登校中
SE:足音
車の音など小さく
友弥:おっ。篤弘。はよーっす。
篤弘:おお、友弥。っはよーっす。(独白)こいつの名前は呉崎友弥、幼稚園からの幼なじみで、親友だ。そんなこいつにも言えない俺の秘密・・・それは、俺が
友弥:(かぶって)あ、犬のウンコ。
篤弘:ッグ!友弥ぁ~お前、ヒトのモノローグ中にそういうことはだなぁ・・・
友弥:や、だからお前、踏むぞって?
篤弘:うわっと!!お、お前そう言うことは早く言え!
友弥:は?だから言ったじゃないか。ったく電柱見つめながらブツブツ言いやがって、寝ぼけてるのか?
篤弘:~・・・たとえ声しか聞こえていなくとも主人公にはカメラ目線という大切な義務があってだな・・・い、いやそれよりお前、今日は随分早いじゃないか。
友弥:おいおい、朝っぱらから嫌味か?ちょっと走らなきゃ間にあわねーよ。
篤弘:いやいや、いつも予鈴で目を覚ます友弥様にとってはかなりの早起きじゃないのかね?
友弥:っせーな。お前こそ人のこと言えるかよ?
篤弘:なんだよ、俺はお前ほどじゃねーよ。
友弥:よっくゆー!
篤弘:(独白)こんな、他愛もない会話をしながら登校する。そんな、いたって平凡な俺の、誰にも言えない秘密・・・それは、実は
雛己:おっはよーっす!
SE:二人の背中を叩く衝撃音
篤弘:いっでぇっっ!!
友弥:んがっ!ゲッホゲホゲホゲホ・・・(咳を続ける)
篤弘:ひ、雛己!
雛己:おう!遅刻常習犯のご両人が今日は朝からそろい踏みとは、珍しいですな!って、あれ?友弥、大丈夫?まさか具合悪いのにムリして出てきたのか?偉いなお前!
篤弘:馬鹿か!お前が突然、力任せにブッ叩くからだろーがっ!っつーか、どいつもこいつも俺様の一人舞台を邪魔しやがって・・・
友弥:ゲホッグハッグェッホ、ゲホッ・・・マジムリ、ウェッ・・・あ゛ー涙出てきた。
雛己:なんだよー情けないな。男児たる者、このぐらいの攻撃に瞬時に受け身をとれぬ様では国は守れん!!だぞ?
篤弘:どこの恐怖政治だ!古代に帰って山でも守ってろこの猪め!ここは、か弱き僕らの生きる現代社会なのだ!見ろ、この息も絶え絶えな姿をっ!
SE:友弥の背中を叩く衝撃音
友弥:グェッちょっ舌噛ん・・・ゲッホゲホ、え?なにこれイジメ?
雛己:(友弥を無視して)失礼な奴だな!猪とはなんだ、猪とは!レディ(無駄に発音良く)の手本と呼ばれる、朝倉雛己様と知っての無礼かこの非国民め!お詫びして訂正したまえ!
篤弘:やなこった。悔しかったらスカートの泥と襟のパンくずを落として出直して来い、イボ猪め!
雛己:い、い、イボまでつけたな!湯上がり卵肌で密かに有名なこのアタシを捕まえてぇ!そんっなに体育5がうらやましいのか、このもやしッ子!
篤弘:ももももやしッ子って言うな!文学青年と言え!体育の成績と赤点の数でしか勝てない癖に!
雛己:出席日数だって勝っとるわい!皆勤賞はおろか精勤賞すらとったことがない、さぼり魔がえっらそーに!
篤弘:と、都会の少年はナイーブなのだ!お前のような、年中半袖半ズボンが唯一の自慢です女版みたいな筋肉少女と比べないでくれ!
雛己:筋肉少女ぉっ!?くっそぉ人をおもろげなバンド名みたいにー・・・
篤弘・雛己:ふぬぅ~・・・
SE:バチバチと火花が散る
友弥:落ち着け二人とも。論点がずれている。主に俺が忘れ去られている。というか遅刻する。
篤弘:え?
雛己:あ。
SE:キーンコーンカーンコーン・・・
友弥:あ、予鈴。
雛己:っぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!アタシの皆勤賞がぁーっ!!
SE:走る去る轟音
友弥:よし、続け篤弘!見失うぞ!
篤弘:・・・もう見失ったよ。
友弥:ゲ。
SE:間抜けな効果音
友弥:と、とにかく俺たちも走・・・
雛己:ッッッキャーーーー!!!
SE:戦慄音
篤弘:な、なんだ!?
友弥:雛己の声だ!!
篤弘:あ、あいつが・・・まさか・・・!
友弥:まさか・・・こんなに女らしい悲鳴をあげることができるとは!
SE:間抜けな効果音
篤弘:合ってるけど違う!行くぞ、友弥!
友弥:お、おう!
SE:二人の走る足音(会話中も続く)
篤弘:くそっ・・・まさかヤツらの仕業か・・・?
友弥:なにか言ったか、篤弘?
篤弘:いや、なんでもない。(独白)ヤツら・・・それはとある目的で活動する闇の秘密結社。その名も「ワコール=ウィング=トリンプス」・・・そして、俺は・・・
友弥:あー!篤弘!また、犬のウンコ!
篤弘:う゛わっ・・・ってぇぇぇ!あーバカッ!わかったよ!もーいいよ!後で一人の時にたっぷり語ってやるんだからね!フンだ!
友弥:なんだよ。わけわかんねぇよ。っつーかキレ方キモいよ。
篤弘:うるさい!急ぐぞ!
友弥:なんか腑に落ちないけど・・・ああ!
SE:走る音フェードアウト
シーン03 とある街角
雛己:なにすんのよ馬鹿!放してよ!ムキーッ!アタシの皆勤賞ぉ~!!
グンゼ:いだだだだだ!なんだこの馬鹿力娘は!おいっ!手下A。何故こんな野生動物を捕獲して来たのだ?
手下A:はっ。しかしグンゼ様が若くて活きの良い女を、とおっしゃられましたので・・・
グンゼ:常識の範囲内で、だ。馬鹿者!いでぇっ!噛むなコラッ!権勢症候群の犬かお前は!
雛己:うーるさいっ!だったらお前が手を放しやがれー!それともなにか?拉致の為~とか言って遅延届けでも出してくれるのか?あーもう確実に間に合わないじゃないか!どーしてくれるんだアタシの11年連続無遅刻無欠席記録をー!この変態顔デカ黒男!
グンゼ:何ぃ~!黒の何が悪い!黒は男の身嗜みだぞ!?
手下A:そうだぞ女!このグンゼ様はなぁ・・・いい年こいて、今さらチョイ悪オヤジを目指そうと一念発起して脱サラして悪の秘密結社に活動内容もよく把握せずに入ってしまって、挙げ句の果てに呆れた奥さんに子供つれて実家に帰られてしまう程、ほんとーにチョイ***悪オヤジなのだぞ!(*の部分は口の中でモゴモゴと)
グンゼ:おい、手下A。今なんか「チョイ」と「悪」の間に余計な間が入らなかったか?
雛己:・・・もしかして、チョイ頭悪オヤジ・・・
グンゼ:手下Aキッサマーーッ!!
手下A:わーわーわー!そそその女が勝手に言ったことじゃぁないですか!
グンゼ:くっそー・・・だいたい手下A!お前は、今回の目的を忘れたのか!?
手下A:はっ。も勿論、理解しております。
グンゼ:ならば、なんだ?
手下A:はっ。ブラジャーの正しい洗い方並びに干し方についての考察、及び研究対象の確保!で御座います。
雛己:はぁぁ?
グンゼ:そうだ。だからこんな、洗濯はおろかブラジャーの購入すらも自分でしていないような、デカ乳を無造作にスポーツブラで支えているような山猿女はだなぁ・・・
SE:駆けつける足音
友弥:雛己!
雛己:友弥!
グンゼ:なんだお前は!?
友弥:お前こそ誰だ!雛己をどうするつもりだ!
グンゼ:貴様の知ったことか!我々の高尚な研究の為に必要な素材なのだ。まぁ、品質として凡そ納得のいく素材ではないがな。
雛己:ブラの正しい洗い方と干し方のどこが高尚な研究なのよ。
友弥:はぁぁ?なんだそれ。マジでか?雛己。
雛己:うん。さっき誇らしげに言ってた。そこのちっちゃいのが。
手下A:ち、ちっちゃいのって言うな!
友弥:うっわ~清々しいくらいの変態だ。どおりで全身黒タイツなんてこっ恥ずかしい姿で堂々と往来に仁王立ち出来るわけだ。
グンゼ:うるさーい!揃いも揃って変態と言うな変態と!大体ワタシは全身黒タイツではない!よく見ろ!この部分はボクサーパンツだ!
SE:チーン・・・
雛己・友弥:キモッ・・・
グンゼ:キー!貴様ら、とことん馬鹿にしおってぇ!綿100%なんだぞ?スゴイ吸水性と通気性なんだからな!割と高いんだぞ!ッフン。まぁ良い。何をわめき立てたところで所詮は子供。手下を一人しか連れてこなかったとは言え、悪事のプロであるこのグンゼ様を相手にお前一人でいったいなにができると言うのだ。せいぜい、この娘が連れ去られる所を指を咥えて見ているが良い!ワハハハハハハハ。
手下A:ケケケケケケ。粋がるのもここまでのようだな、坊主!
友弥:何を言っているんだお前ら。頭と趣味だけじゃなく目までイカレたか?軟弱な高校生とは言ってもこっちだって二人・・・頭数は同じじゃないか。
雛己:友弥・・・そう言えば、篤弘いないけど・・・?
友弥:え?
SE:間抜けな効果音
友弥:っっっなにいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!???(エコー)
シーン04 学校・理事長室前廊下
SE:小走りの足音
篤弘:・・・はぁ、はぁ・・・あ゛ーっ。なんだってアイツらはこういつもいつも、この朝の忙しい時間帯を選んで活動しやがるんだ畜生。こっちの事情もちったぁ考えやがれってんだ。(独白)そう、誰にも言えない俺の唯一にして最大の秘密・・・それは、素顔を隠して悪の組織と密かに戦う正義のスーパーヒーローだ、ということだった!
SE:キラーン
篤弘:・・・ふぃー。やっと言えたぜ。それにしても、こんな時に変身ブレスの電池が切れるとはついてないな。というか、ヒーローの変身アイテムの動力源がリチウム電池ってのはいかがなもんだ?ったく、充電式とは言わないまでも、せめて自分で電池交換できる作りにして欲しいもんだよなぁ・・・はぁ。
SE:ガラガラガラ(扉を開ける)
篤弘:理事長ー。ブレスの電池切れちまったんスけど・・・
SE:キィ・・・(椅子ごと振り返る)
理事長:チッチッチ。理事長ではナッシングだよ、関谷隊員!Dr.アンディーと呼びたまえ!
篤弘:何が隊員だよ一人しかいないのに・・・ったく。お願いしますよ、安藤先生。急ぎなんスよ。
理事長:ノン!Dr.アンディーだ!
篤弘:へいへい。Dr.アンディー、マッハで頼んます。雛己が2WT(ワコール=ウィング=トリンプスの略称)に捕まっちまったんスよ。早く行ってやらないと、あいつらまたどんなしょーもないことするか・・・
理事長:なんだって?君のMyスィートが!?それは大変だ!貸したまえ!
篤弘:い゛やっ!あの凶暴女と俺はそんな関係じゃっ・・・っつーか、君の「Myスィート」って・・・それでよく先生になれたな、おぃ・・・
SE:電池を替えるには、やや大げさな機械音
篤弘:(独白)この怪しげな初老の紳士は、我が学園の理事長であり俺を正義の改造超人に仕立て上げた張本人、そして類い希なるマッド・サイエンティストの安藤喜三郎氏だ。あれは2年前のある日・・・俺は、学校をサボって新作のゲームを買っていた所をこのじいさんに見つかってしまった。ウチの学園は中高一貫校だが、高校に上がる時にはちゃんとした試験がある。中3だった俺は無事高校に進学できる事を条件に、このじいさんが趣味で開発した超人変身マシンの実験台にされる事となってしまった。正義という名の慈善事業は、まぁ言うなれば実験のオマケみたいなモンだ。単純にこのじいさんがDrと呼ばれてみたかっただけ・・・という説もある。
理事長:はい。新品と交換したからね。1ヶ月毎日朝晩変身しても持つと思うよ。
篤弘:そんなに変身したくねぇよ。
理事長:あ、そうそう。そう言えば先週、もう一人生徒をヒーローに任命したんだよ。
篤弘:っえ?もう一人?
理事長:うん。今日、正式に紹介しようと思ってたんだ。だから、一段落ついたら後でまた理事長室に来てくれるかい?
篤弘:いや、それはいいっスけど。え、誰なんスか?その生徒って。
理事長:それを言っちゃったら折角のサプライズが台無しじゃないか!さぁ、行ってきたまえ関谷隊員!健闘を祈る!
篤弘:ウス。じゃぁ、変身していくか。
SE:変身効果音。もったいぶるように長く。
篤弘:インナー超人☆ムーニーマン!!!!!!
SE:シャキーン
篤弘:じゃ、Dr行ってきます!
SE:走り去る轟音
理事長:グッドラック、関谷隊員。いや、ムーニーマン。・・・この国・・・いやこの世界の平和は君の手にかかっているのだ・・・。
シーン05 とある街角
友弥:っち、篤弘の奴、どこに行きやがったんだ。これじゃあ、助けを呼ぼうにも目を離した途端、逃げられちまう・・・
グンゼ:ワハハハハハハ。さっきの勢いはどうした!え?結局、どうすることも出来ないのか?情けないなぁ。
友弥:っく。ま、待て!そ、そうだ!さっきお前は研究の為に必要な素材だ、と言ったな?ブラの研究であれば、女なら誰でもいいんだろう?なにもそいつじゃなくても・・・
グンゼ:愚問だな坊主。高尚な研究だ。誰でも、と言うわけにはいかんだろう?それに、そういう台詞は変わりの女でも連れてきてから言うものじゃないか?なにか変わりの当てでもあるのかな?ん?
友弥:あ、あ、あ、ある!
グンゼ:ほう。では、それは誰だ?言ってみろ。
友弥:お、お、俺の・・・母ちゃんでどうだ!?
雛己:友弥!何言ってるの!そんなの意味ないじゃない!
友弥:いや!このままむざむざ、お前を連れ去られるくらいない、少しでも・・・。
グンゼ:クハハハハハ。いかにも苦し紛れと言った感じだな。少しでも時間を稼ぎたい・・・か。まぁ、その必死さに免じて参考までに聞いておこう。貴様のご母堂は、歳はおいくつだ?
友弥:37だ。
グンゼ:なにっ!意外にも・・・悪くない。いや、場合によってはむしろこの野生動物より、遙かに良い。
手下A:グンゼ様!
グンゼ:うむ。喜べ坊主。苦し紛れが功をそうした様だぞ?さらに念のため聞いておこう。そのお母様は・・・そうだな、有名人に例えると誰に似ている?
友弥:朝青龍。
グンゼ:却下。
SE:間抜けな効果音
友弥:しまった・・・つい、馬鹿正直に・・・。
グンゼ:残念だな、坊主。いや、俺としてももう少し質の良い素材を持って帰りたいものだが・・・
手下A:グンゼ様、そろそろお時間が・・・
グンゼ:む。そうか。タイムアウトだよ、少年。非常に残念だが、失礼するぞ!
雛己:ちょっと!アンタさっきから黙って聞いてたけど、カナリ失礼じゃない?こんな麗しの美少女のどこが不満なのよぉぉっ!!
グンゼ:うるさい!猿女め!もう少し手荒なやり方で大人しくさせてやろうか?
友弥:やめろぉっ!
雛己:きゃぁぁぁぁぁぁぁっっっ!
篤弘:待て待て待てぇぇぇぇ~いっっ!!
SE:駆けつける足音(大げさに)
手下A:な、なんだ貴様はっ!?
グンゼ:その、やけに複雑な模様で蛍光色の青いトランクス・・・貴様・・・っ!
篤弘:みんなの平和を守るため。局部を優しく守るため。インナー超人☆ムーニーマン!ただ今、見参ッ!!!悪行と股ズレはこの俺が許さん!覚悟しろっ!トゥッ☆
SE:シュタッ(着地音)
グンゼ:ふぬぬぬぬぬ。いつもいつも邪魔ばかりしおってぇ・・・。今日こそは息の根を止めてついでにブリーフを履かせてやるぞ、ムーニーマン!
手下A:グンゼ様!ブリーフの準備は出来ております。
雛己:きゃあ!ヤダそれ!なんかちょっと黄ばんでる!
篤弘:うぬぬぬ。相変わらず破廉恥な奴らめ!行くぞ!パンスト☆ウィップ!
SE:ビシィッ
グンゼ:ウッ。・・・クソ、手下A!お前はこの女を捕まえておけ。
手下A:っは。おい、女。大人しくしろ!
雛己:ちょ、ちょっと!そのブリーフで手縛る気!あり得ない!このチビ!ちょ、やめっムリムリムリムリ!!
手下A:お、お前ちょっと黙れ。お前の馬鹿力はこうでもしなければ抑えきれんのだ!
SE:ッギュ(縛る音)
手下A:これで、よし、っと。
雛己:ううう・・・最ッッ悪。
グンゼ:クハハハハハ。ムーニーマンめ!そう毎度毎度お前にやられている俺様では無い!くらえ!新型兵器☆レモンパットランチャーッッ!
SE:ズドドドドドド
篤弘:ッグハァ・・・。っく。奴らも確実に進化して来ている・・・今までのやり方では・・・やられるっ。
グンゼ:ワハハハハハハ。口ほどにもないなぁ、ムーニーマン!おぉ。そうだ、ついでに一つだけ尋ねておこう。貴様にも、家族・・・というものがあるだろう?
篤弘:なんだっ?こんな時にっ・・・!
グンゼ:いやいや、ほんの参考までに、だ。お母様はお若いかね?
篤弘:いや、もう40代も折り返し地点だ。
グンゼ:はぁぁぁ・・・そうか。それは残念だ。因みに、他の女性のご家族は?
篤弘:?・・・姉が一人。
グンゼ:おおお!おいくつだね?
篤弘:21だ。
グンゼ:おおおおお!素晴らしい!素晴らしいぞっ!では、念のためもう一つ。有名人に例えるなら誰に似ている?
篤弘:有名人だぁ?・・・そうだなぁ・・・んー・・・エヴァの初号機。
SE:間抜けな効果音
グンゼ:こんのやろおぉぉぉぉっっ、無駄に期待させおってぇぇぇぇぇっっ!!!
SE:ズドドドドドドドドド
篤弘:うがぁっ!ぐっグハッ・・・くそ、質問攻めで油断させるとは・・・卑怯なり。
SE:ドサッ(倒れる)
雛己:きゃあぁ!ムーニーマン!
SE:ッバ(手下Aの手をふりほどく)
手下A:あ!おい待て!貴様っ。
SE:駆け寄る足音
雛己:大丈夫?しっかりして!
篤弘:あ、あぁ。俺は大丈夫だ。大丈夫だから・・・お嬢さん、今の内に・・・
雛己:なに言ってんのよ、篤弘!
篤弘:っな・・・
BGM:しんみりとした甘い曲(フェードイン)
雛己:アンタ、篤弘でしょ?そんな変な仮面被ったって、アタシわかるんだから・・・
篤弘:・・・な、な何を・・・
雛己:馬鹿ね。バレないとでも思ったの?だって・・・そのトランクス・・・中3の修学旅行の時、大浴場に忘れて夕飯の時にみんなの前で晒されたアレでしょ?あまりにもショッキングな見た目だったから、アタシ良く覚えてる。
篤弘:・・・雛己。
雛己:それに・・・それに・・・アンタのお姉さん、初号機そっくりだし。
BGM:終了
SE:チーン・・・
グンゼ・手下A:マジかいっ!
雛己:待ってて。兎に角、助けを呼びに・・・ッハ!友弥?そう言えば友弥はっ!?
SE:ポロロロロン(ギター)
友弥:フッフッフッフッフ。
グンゼ:何者だ!?
友弥:みんなの平和を守るため。局部を大事に守るため・・・
篤弘:・・・な。その台詞、その声・・・まさかっ・・・
友弥:トゥッ!!インナー超人☆オヤスミマン!ただ今、参上ッ!悪行とオムツかぶれはこの俺が許さないゼ☆
SE:キラーン
雛己:え?・・・その声・・・友弥?
篤弘:ッフ。まさか・・・新しい仲間が、お前だったとはな。あのジジィも人が悪いゼ。
友弥:遅くなって悪かったなぁムーニーマン!だけど、やっぱ真のヒーローってのは遅れて登場するモンだろっ?
篤弘:ぬかせよ。いち早く駆けつけて時間稼いでくれたのは礼を言うが、変身が遅すぎんだよ。
友弥:ま、そこで大人しく倒れてろよ。すぐに終わらせてやるからサ!
グンゼ:くっそー。後から後から湧き出て来おってからに!おまけに、今度は赤いラメ入りのトランクスだとぉ!?気に食わん!お前から先にブリーフを履かせてくれるーっっ!!
手下A:グンゼ様、ブリーフもう一枚、既にご用意は出来ております!
グンゼ:死ねえぇぇ!!!
SE:ズドドドドドドドドド
友弥:うぉっとぉ。あっぶね。何度も同じ技使いやがって、見飽きたんだよ!ハエがとまるぜ☆
グンゼ:うるさぁぁーい!!
SE:ズドドド・・・ガチッガチッガチッ
グンゼ:あ、あれ?あれ?
友弥:ップ。弾切れだな。あらよっとぉ☆ニップレスボンバーッッッ!!
SE:ドカーン
グンゼ:グホァッ!!!
手下A:グ、グンゼ様ぁ!
SE:ッスタ(着地音)
友弥:おう。篤弘、いやムーニーマン。立てるか?
篤弘:ッチ。一人でかっこつけやがって、愚問だな。(立ち上がりながら)
友弥:おっし。じゃぁ、いっちょキメるぜぇっ!
篤弘:おっしゃぁぁ!!
SE:シャキーン
BGM:特撮番組テーマソングの様な音楽
篤弘:いっくぜぇ!即席合わせ技だ!!
友弥:遅れとんなよぉ!!
グンゼ:こしゃくなぁ!来るなら来い!
SE:キラーン
篤弘・友弥:うおぉぉぉぉッッ!!紐パンファイナルビーィィィィィム!!!!!
SE:ズドーン!ボカーン!
グンゼ:ぎゃあああああっっ!!!
手下A:ぐ、グンゼ様あぁぁっっ!!
グンゼ:っく、くそ。ガハッ・・・て、撤退だ!!
SE:ッザザザ(逃げる音)
手下A:ひぃぃぃ、グンゼ様ぁ!待って下さいよー!
SE:ダダダダダダ・・・(逃げる音)
BGM:フェードアウト
シーン06 学校
篤弘:(独白)こうして、俺達は見事この戦いに勝利し、ヒーローは晴れて二人組みとなった。この日は2限の授業からでるハメになった為、担任にはこっぴどく怒られ、雛己は無敗(というか無遅刻・無欠席)の記録に泥を塗られたことに嘆き悲しんでいたが、それも理事長の計らいで、内々に出席扱いにしてもらうことができた。ただひとつ、問題と言えば・・・
友弥:うおいっ雛己ー!俺のエビフライ返せーっ!!
雛己:やーなこった!悔しかったら追いついてみろー。
友弥:ムリに決まってんだろ!くそー、止まれよ!止まらないとお前の現国の点数大声で喚くぞぉ!
雛己:へっへーん。もう、その手は通じないよーっだ。みなさーん!友弥君の得意技は紐パン・・・
友弥:うわぁぁぁぁぁぁわわわわわ。バカ!止せ!止めろよ!
雛己:恐れ入ったか!言われたくなければ、大人しくこのエビフライを雛己様に献上したまえ!
友弥:なんだとー!俺が朝からどれだけそれを楽しみにー・・・
雛己:あ!そこのバレー部のお姉さん達ぃ!友弥君がパンスト・・・
友弥:わ゛ぁぁぁぁ!止めろ!止めろってば!雛己いぃぃ!!
篤弘:(独白)と、このように。悪魔のような雛己に正体がバレたことで大きな弱みを握られた・・・ということだ。変身がとけてフと我に返ると、やはりこのネーミングは恥ずかしいし、なにより大いに誤解を招く・・・
友弥:大体なぁ!パンストだったら篤弘のほうが一枚も二枚も上手・・・
篤弘:だぁぁぁぁぁ!!頼むから、俺を巻き込むなぁぁぁっ!!
篤弘:(独白)と、言うわけで・・・しばらくは騒がしい日々が続きそうだ。
-了-
=主な登場人物とかなりどうでもいい人物設定=
関谷篤弘(Atsuhiro Sekiya)
主人公。高校2年生。正義のヒーロー「インナー超人☆ムーニーマン」として、この国(主に町レベル)の平和を密かに守っている。学校での成績は中の上程度だが、本を読むのが好きで国語の成績だけは良い。本を読むときだけ眼鏡をかけるが普段は裸眼。顔も中の上で背は高めだが、本人は色白を気にしている。母親は45、父親は43。4つ上の恐い姉がいて、よくパシリにされている。夜中などは、自転車よりも早いという理由からこっそり変身してコンビニに行く事もある。
呉崎友弥(Tomoya Kuresaki)
篤弘の幼なじみにして親友。先週から「インナー超人☆オヤスミマン」に任命され、密かに活動している。「モテる(たぶん)」という言葉につられたらしいが、見た目は意外と整った顔立ち。成績は篤弘と同じく中の上だが国語・英語には若干弱く、理数系。特に地学と物理に強い。母親は37、父親は44。一人っ子の為か、女性(雛己は女性と見なしていない)と話すのはやや苦手だが、密かに保健の美人先生に憧れている。そのためよく授業をサボって保健室に行くが、毎回すぐに雛己に連れ戻される。男女別の授業であっても連れ戻される。
朝倉雛己(Hinaki Asakura)
篤弘・友弥の幼なじみ。体力自慢でスポーツ万能。小1から無遅刻無欠席。顔は健康的な美人で髪型はポニーテール。たまに自転車通学をする。成績は下の中。体育・家庭科・音楽を除いたほぼ全教科が赤点ギリギリかギリギリアウト。しかし弟が3人いて両親が共働きの為、炊事洗濯などは意外にも上手い。バレー部所属で背もそれなりに高くスタイルも良い。因みに、グンゼの予想「実はスポーツブラ説」は正解。
グンゼ(Gunze)
本名・西尾 夢人(にしお ゆめひと)。47歳。名前に似合わず無骨な見た目で顔が大きく眉毛も太い。20歳の息子と18歳の娘がいる。最近、娘には「臭い」と言われ、息子には「反面教師」と言われ、妻にはしげしげと眺められた挙げ句、無言で溜息をつかれ、この汚名を返上すべくネットで求人をしていた2WTに入団するも完全に逆効果。家族全員に愛想を尽かされてしまった。しかし、今さら脱けることも出来ず結局元のサラリーマンとあまり変わらない中間管理職的立場に納まっている。因みに、2WTの活動目的は「心地よいインナーの開発によって全世界を裏から操る」というもの。本拠地は巣鴨。あの有名な「赤パン」も実は2WTの開発によるものだが、うっかり特許と商標登録を忘れた為、広くは知られていない。
理事長(Rizicho-)
本名・安藤 喜三郎(あんどう きさぶろう)。54歳。本人希望の呼び名はDr.アンディーもしくはProf.アンディーだが、主張しないと誰も呼んでくれない。理事長に就任する前は理科の教師で専門は生物。教師から理事長になり暇が増えた事から、趣味でマウスの肉体改造研究をしていたところ、特殊電波で一時的な肉体強化の改造に成功。校内で昼寝をしていた篤弘に人体実験を施した所、これまた成功。折角強くなったので勿体ないしDrとか呼ばれてみたいから・・・という理由でムーニーマンが誕生した。因みに18歳年下の妻がいて、家では「きーちゃん」と呼ばれている。